2011/10/11

現地報告


活動日:2011.10.06
報告者:田中真人

南保氏からの報告です。

ネットワークストレージ(NAS)の設定の続きで本日も朝から唐桑体育館へ。
昨日の晩にスタートしておいたこれまでの写真データが蓄積された外付けHDDからNASへのコピーは完了していました。
念のためにNAS側とHDD側でファイルの個数を比較してみるとちゃんと同じになっていて一安心。
これ以降はNASに写真データを蓄積していき、こちらがマスターのアーカイブとなります。
外付けHDDは今後はNASに蓄積されたデータのバックアップとして使うことになります。
そういうことで次に必要なのがNASから外付けHDDへのバックアップの設定。
まずは最初に一度NASのマスターアーカイブ全体を外付けHDDへバックアップを取ります。
バックアップの設定をして外付けHDDを接続し全体バックアップを開始しますが、昨日と同様260GBほどのデータ量ですから、これも長い時間がかかります。
お昼過ぎまで他の細かなことをやりながら時間を過ごしましたが、まだまだ時間はかかりそうなので一旦教会へ戻ります。

今日のお昼は、南町商店街で7月から営業を再開されている喫茶店ヴァンガードさんでランチ。ナポリタンやカレーライスにコーヒーも付いて500円なので安くておすすめです。味ももちろん。今日はカレーをいただき、食後のコーヒーをいただきながらマスターに震災前後のお店の話などをうかがいました。

3/11の大地震発生の時にはお店は昼休みで、お店の上の階の自宅にいらしたそうです。
地震が起きてこれは津波から避難しなければと一階に降りたもののひざ下くらいまで水がついていて長靴を取りに三階に戻り再び下に降りようとした時には水はすでに店の天井くらいの高さになっており外に避難するのをあきらめ建物三階のご自宅で津波をやり過ごしたそうです。

それ以降も避難所には行かずご自宅で震災後を凌がれたそうです。その間は支援物資等を受け取ることもしなかったそうです。あえて受け取らなかったのか支援物資が行き届かなかったのかはわかりません。

その後はお店の再建の話を伺いました。
知り合いの建築屋さんに再建工事を依頼されたそうですが、津波で流された木の壁や棚などをなるべくそのものを再利用する形で工事をされたそうです。そう言われて見てみると確かにお店全体にいい意味での古めかしさをちゃんと残されており、これが津波に浸かり破壊されたお店なのだということが信じられないくらい見事に当時ままに再建されているのだということをあらためて感じました。

これは破壊された後に新しく作り直すよりもある意味難しいことではないかと思うので、本当に見事な仕事をされたんだなと感心しきり。
そういった観点で見てみると本当に感心すること請け合いですので、こちらの喫茶店行かれてみることおすすめします。夜は10時までの営業です。

あと、このお店は元々ジャズ喫茶のような感じでこだわりの音響機器で音楽を流していたようですが津波に浸かった音響機器はさすがに復旧出来ず、今はラジカセでジャズを流しています。

私の趣味に通じる部分もありますので音響部分の復旧で何かお手伝い出来ないかな などとも思いました。
ちなみにラジカセから流れるジャズですがお店の空間がいいのでそれなりにいい雰囲気で聴こえます。

その後は教会の宿舎に戻って掃除をしたり、活動の記録を書いたりなど。

16時過ぎに唐桑体育館に戻ります。
バックアップの状態を見るとちゃんと完了になっていました。
ここからさらに、ここ三日間PCから外付けHDDに集約されていなかった写真データをNASにコピーし、それをさらにマスターアーカイブに統合します。
これをまた外付けHDDにバックアップを取りますが、先ほど完了したバックアップからの差分だけのバックアップがされるかを確認します。(差分のバックアップでないと毎回何時間もかかることになってしまいます)
ちゃんとうまく行くかちょっとドキドキしましたが、見事に20分程度でバックアップが完了し、ちゃんと差分バックアップになっていることを確認出来ました。
これで大事なデータを集約するファイルサーバーとして使うにあたって必要な設定はひととおり完了です。
明日からは通常業務にNASを組み入れての運用をしていただき、9日に家に帰るまでの間は出てきた課題について微調整をする感じになります。
このシステムが写真救済プロジェクトのさらなる前進に少しでも役に立ってくれることを願ってやみません。
以上