2015/01/31

現地報告(1/24-27)

活動日:2015.1.24~27
報告者:奥原幹雄


2015年に入り初めての活動報告になります。
今年も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。


1月24日(金):松崎柳沢住宅「歌の会」
 

 24日から4日間の日程で、Yさんご夫婦(銀座教会在籍)が来られました。Yさんご夫婦はこれまでも何度も気仙沼で活動されております。奥様の電子ピアノによる伴奏で、みんなで歌をうたう「歌の会」を仮設住宅の集会所などで行なうのが主な活動です。普段の生活では、みんなで歌をうたう機会など殆どありませんし、特にご年配の方々にとっては昔懐かしい唱歌や歌謡曲などを伴奏に合わせて歌うというのは、昔の学生時代や子供の頃を思い出し、とても懐かしい気持ちになり、こころが和むのではないかと感じます。
 
今回も4日間で5か所の仮設住宅などで歌の会を行なう予定であり、初日は到着早々に松崎柳沢仮設住宅にて歌の会を実施しました。集会所に集まった住民の方は全部で11名。それにYさんご夫妻、19日から気仙沼入りされている清水さんも加えて、総勢14名での歌の会となりました。
 
 

 


1月25日(土)午前中 陸前高田市長部地区の公民館にて「歌の会」


 長部(おさべ)地区で「歌の会」を実施するのは今回がはじめてでした。当初は、長部の仮設住宅にお住いのTさんのお宅を会場にして、仮設住宅の隣近所の方々をお誘いしての小規模な「歌の会」を行なう予定でした。しかし、Tさんや他の住民さんからの要望で、仮設住宅以外の近隣に住む方々もお誘いして、みんなで歌の会を楽しみたいというお話をいただきました。
Tさん自ら、近隣の方への声掛けと、公民館を借りる手続きなどをしてくださり、会場を整えて下さいました。
 
 このTさんが住む長部の仮設住宅は全部で8世帯と小規模な仮設住宅です。ここの地域は近くに買い物ができる商店もなく、また水事情が悪く、水道水は飲めないということもあって、これまで月に一度のペースで継続的にお水とお米(3Kg)をお土産に訪問させて頂いておりました。今回、Yさんの「歌の会」を開くということで、Tさんが積極的に近隣の方に声をかけてくださり、仮設住民に近隣住民の方も含めて21名での「歌の会」となりました。歌の会のなかでは、高田音頭という地元の踊りを住民の方々が披露して下さる場面もあり、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
 








 

 住民の方からは、これからも定期的にみんなで集まって、お茶っこでもしましょうという声も聞かれ、良いきっかけを作ることが出来たのではないかと思います。これからもTさんが中心となって、この地域の住民同士のコミュニケーションが活性化することを願いつつ、また私たちも可能な限りお手伝いしていきたいと感じました。今回は、Yさんご夫妻に清水さん、それと東京学生寮からFさんが駆けつけてくださり、それに母も加わって大勢での歌の会となりました。

 


1月25日(土)PM 東新城コミニティー住宅「歌の会」


 午後からは、乙女の会に参加しているFさんが住んでいる東新城の仮設住宅にて「歌の会」を開催した。ここは、昨年末にも忘年会で餅つきをさせて頂いたところで、今回もたくさんの住民の方が参加してくださり、とても盛り上げった歌の会となりました。






 

1月26日(月)大船渡市三陸町越喜来杉下仮設住宅「餅つき&歌の会」
 

 大船渡市三陸町越喜来の杉下仮設住宅は、昨年もなんどか音楽のイベントやお茶っこなどのイベントで活動を行なっている仮設住宅です。今回は餅つきと歌の会を組み合わせたイベントを行ないました。この越喜来地区は、気仙沼教会の信者の方が多く暮らしている地域でもあり、杉下仮設にも既に出られている方や現在も住まわれている方を含めて、信者の方が何世帯か入られている仮設住宅です。今回は、Yさんご夫妻、清水さん、Fさん(東京学生寮)、気仙沼からはOさん(気仙沼教会在籍信者)、KさんとFさん(乙女の会)、母と私。さらに、越喜来地区の信者の方が3名参加して下さいました。たくさんの方のお力をお借りしてのイベントとなりました。集まった住民の方々と一緒に、つきたてのお餅をいただき、Yさんの伴奏で歌をうたい、最後はFさん(東京学生寮)のリードでじゃんけんゲームをして、楽しいひと時を皆さんと共有することが出来ました。
 








 
 



 今回、自治会長さんの計らいにより、我々のボランティア活動を取材して欲しいということで、
地元紙の東海新報の記者が取材に来ており、イベントの模様を記事にしてくれました。記事は1月28日の東海新聞に掲載されました。





1月27日(火)西八幡前仮設住宅「歌の会」


Yさんご夫妻にとって、今回の活動では最後となる「歌の会」を西八幡前仮設住宅でおこないました。この仮設には、乙女の会に参加しているKさんが住んでおられます。この仮設住宅は全13戸と小規模な仮設住宅ですが、今回参加される予定の方々がインフルエンザに罹り、急遽参加できなくなったということもあり、参加者は3名でした。

 早速、歌の会がはじまり昔懐かしい歌を何曲か歌っていきました。途中、一息ついたところで最高齢のおばあさんが昔の思い出ばなしをされました。おばあさんは戦時中は満州に行っておられ、中学2年生の時に終戦をむかえ満州から引き揚げて来たそうです。その引き揚げてくる時のことを色々と語って下さいました。みんなでおばあさんの話しに聞き入っていました。歌によって遠い日の記憶が蘇って来るのだなと感心いたしました。
 
 すると突然、おばあさんの動きが止まり、ふわっと後ろに倒れてしまいました。一同、何が起きたのか理解できず、一斉におばあさんのところに駆け寄りました。おばあさんは、顔色が青ざめて、呼吸は有るものの、意識が薄れ反応がない状態で、目を閉じ、フーフーと呼吸を繰り返すばかり。
これは大変なことになったと、直ぐに救急車を呼びました。救急隊の到着までの間、みんなで手足をさすって、声を掛けながら、一心に神様に祈りました。

 すぐさま救急車が到着して、救急隊によって私立病院に搬送されました。病院で検査を受けた結果、肺に水が溜まっていたそうで、危険な状態で一旦は今夜が山という診断でした。しかし、何とかおかげをいただいて回復することが出来たとのことでした。後で電話で報告をいただいて、一安心しました。

 もし、あの時自宅の部屋で倒れていたら、発見されるのは恐らくお嫁さんが勤めから帰って来る夕方なると思います。そうなっていたら、もしかしたら手遅れになっていたかもしれません。歌の会に参加して下さったことが、おばあさんの命をつないだことになり、これも神様の御計らいであると思わされました。本当にありがたいお働きを頂いていると感じます。
 それにしても、高齢化の実態を痛いほど感じさせられる出来事でした。

以上