活動日:2012.2.1(その2)
報告者:南保邦亮
午前は美紀子先生とともに牧沢仮設住宅へペットボトルの水を持って行った。
ここ最近の寒波により水道の凍結が頻発しているらしく、水道が使えなくなった場合に使っていただくため。牧沢仮設は市営テニスコートのあった場所にあるのだが、ちょっとした山間にあり、途中の道の雪景色はまるでスキー場に向かう途中の林間の道路のようであった。
水をお届けし自治会長のOさんという女性からお話を伺ったのだが、来る途中にあるバスの停留所までお年寄りだと歩いて40分程度かかるらしく車がない方だと買い物等に行くのが大変な場所のようです。
また、平地よりも冷え込みが厳しいようで、ここのほとんどの世帯で水道の凍結が起きているとのこと。なかなか環境的に厳しい場所ですが、自治会長のOさんの存在がここの救いだと思いました。というのはOさんは元々民生委員をされていて、早い時期から住民の方のケアをされていて自治会の発足も比較的早かったそうです。また、震災後は市民会館の避難所にいらっしゃったそうですが、その時から炊きだし支援をしていたそうです。
自らも被災者であるにも関わらず人のために動き回れるOさんは見習うべき存在だと思いました。
午後は清水さん、佐藤さんと共に五右衛門ヶ原テニスコート仮設へ。
こちらにもペットボトルの水をお運びしましたが、メインのイベントは佐藤さんによる指編み教室でした。佐藤さんと清水さんが指編み教室を支援する中私は途中抜けて、17時からCadoccoで映画の上映のためにこられた真子さん、有馬さん、そしてその映画の監督のジュリアンさんを迎えに気仙沼駅へ。
駅で3人をピックアップし、ジュリアンさんに鹿折と南気仙沼周辺の津波被災地を案内しました。被害を受けた建物の撤去が進んだ地面を雪が覆っていて、被災地の「色」が覆い隠されていているような感じを受けました。
17時からの映画は"Passing by"というタイトルで内容は、ジュリアンさんが回ったヨーロッパの22カ国44都市の何気ない日常を捕らえた映像を台詞もなくひたすらに連ねているというものでした。上映後にジュリアンさんからの話がありましたが、彼の意図としては映画というよりも映像作品であって、普通の映画のように映画館でじっと座って「観る」というものではなく、この街の風景を紡いだこの作品自体を街に溶け込ませ、人が出たり入ったりこの映像を通り過ぎていく(Passing by)ことも含めて作品にしたいと、そういう意味で街の一角にあるCadoccoのガラス張りの環境は彼の意を得た上映環境であったようです。
それを聞いて思ったのは、これがもっと暖かい時期であればCadoccoの扉を開放して上映すれば、もっとそれに近いものになるのではないかと思い、夏になったらまた来てくださいと言っておきました。
活動の話ではないのですが、前日の午後に東京を出発し車で気仙沼に向かいましたが、寒波のタイミングにぶつかったため道路状況は非常に悪いものでした。
17時くらいに高速を降りてからはほぼ路面は凍結、川崎(道の駅のあるところ)を過ぎて千厩のあたりは特に状況は悪く仕事を終えて帰路についていると思われる車がノロノロ運転の渋滞のようになっていました。
このあたりは橋梁になっている部分も多くより滑りやすいところが多く注意が必要かと思います。ギアは使って2速まで、ブレーキだけでの減速はスリップの危険が大きいのでギアを1速まで落としてエンジンブレーキで減速し、最後の最後にブレーキで停まる ような感じでの運転が必要です。
また、陽が落ちてから気温がグッと下がりますので、極力陽のあるうちに気仙沼に到着するようにすることも肝要かと思います。