活動日:2012.2.26、27
報告者:吉見美紗子(銀座教会)
2月26日の早朝6時に夫と共に横浜を出て、正午過ぎに気仙沼に到着、ホテルに荷物を預けて、タクシーで田中公園の仮設住宅に向かいました。
初めて伺った談話室は畳敷きで、20畳くらいの大きさでしょうか、キッチンもあり、荷物
置き場を兼ねた3畳くらいの部屋の一番奥にトイレがありました。
今日は金光教首都圏災害ボランティア支援機構(フォーゲル東日本連盟)の人達が炊き出しをされて、仮設住宅の皆さんに振舞われたとのこと。
早速、私達もお相伴に預かり、美味しく出来たチキンカレーとお味噌汁を頂戴しました。
1時から「歌を楽しむ会」をさせて頂くことになっていたので、この日の為に作成した
2冊の歌詞集を皆さんにお渡しました。1つには、今の季節に合った冬と春の童謡,唱歌など
24曲を、もう一つには、各年代層に向くように選んだ歌謡曲を95曲掲載しています。
津波にすべての物を流された皆さんに歌集を差し上げたいと思いました。歌詞があれば、
いつでも口ずさむことができるし、会合や何かの時にお役に立つのではと思ったので、
出来るだけ沢山の曲を載せました。私がキーボードで伴奏するので、それに合わせて
皆さん揃って歌って頂き、少しでも元気になってもらいたいというのが願いです。
初めは、「早春賦」、「春よ来い」、「春の小川」、「朧月夜」などを歌いました。後は「歌集の中からお好きな曲をお選び下さい」と申し上げると、年配の男性が「人生劇場」と「星影の
ワルツ」をリクエストして下さったので、みんなで歌いました。
気がついた事は、歌謡曲の歌詞には“別れる”という言葉の何と多いこと! 今まで全く気にしたことが無かった歌詞に被災地向けに選曲する時の注意すべき点が多々あることを実感しました。でも、ほどほどにお楽しみ頂けたのではと思いました。
ここの仮設住宅には、まだ自治会が出来ていないので、集まって下さった方たち同士が
そんなに親しいわけではありません。こういったサロン活動が継続的に行われて行くとよいと思います。
27日(月)10時から気仙沼市立 内の脇保育所で子供たちに“歌と手あそびうた”を楽しんでもらおうと田中さん、清水さんと夫の四人で足を運びました。 準備ができる頃に、美紀子先生、幹雄さん夫妻と、そのお子さん二人も来てくださいました。この保育所は、津波で流された幼稚園の園児たちが来ているので、定員120%の状態なのだそうです。30数名の子供たちが、大きな声で私の伴奏に合わせて歌ってくれました。「むすんで ひらいて」「手をたたきましょう」「赤い鳥 小鳥」の歌のあとに、手あそびうた、じゃんけんゲーム、くっついた遊びなど大変賑やかに過ごしました。「さんぽ」「崖の上のポニョ」は大人気、「マルマル・モリモリ」は、全員が踊れます。びっくりしました。素直な子供たちの楽しそうな笑顔としぐさに、私たち大人は幸せな気分になれました。歌うことが好きなんだなあ・・と実感して盛りだくさんのプログラムを終えました。
午後1時から五右衛門ヶ原テニスコート仮設住宅の談話室で“歌を楽しむ会”をさせて頂きました。ここは既に自治会が出来ており、皆さんの交流もあるので、最初から和やかな雰囲気で会を始めることが出來ました。昨日の反省からある程度、私の方で選曲して皆さんが歌い慣れたころから、リクエストして頂いたのが良かったようで、次々歌って楽しく過ごせました。途中“お茶っこ“の時間もあり、初めての私たちに親しく接して頂き嬉しく思いました。次回お訪ねする時は、もっと盛り上がって楽しい“歌の会”になるのではと思います。歌っている時には、涙を流している方がおられ、私も演奏しながら心が痛みました。でも帰る時にはお見送りして下さって、明るいお顔で「また来てね。ここの談話室にいつでも泊まれるからね」と言って頂きました。「また行こうね」と夫と話しています。
この度の活動は、金光教首都圏災害ボランティア支援機構の田中さん、清水さんにお世話頂いたので実現しました。震災から11ヶ月たち、何か私たちに出来ることをさせて頂きたいと、思い続けた夢が叶いましたこと大変嬉しく思っています。
神様のおはからいに有難く感謝すると同時に、この活動が続けていけるように心から願っています。