2014/08/12

現地報告(8/7)

活動日:2014.8.7
報告者:奥原幹雄 
 
 
 
87日(木)現地報告
 
 
広島から来られたK師と一緒に、来週の811日(月)午前中に大船渡市三陸町越喜来の杉下仮設住宅、そして午後には気仙沼市五右衛門ヶ原運動場仮設住宅で予定されている恒例のワン・ハートブラス(乙島教会)による音楽イベントに向けて、チラシ配りをさせていただいた。
 
はじめに越喜来の杉下仮設に向かったが、その途中の長部(おさべ)という所にある仮設住宅にお米とお水を届けに行った。ここは7世帯ほどの小さな仮設住宅である。これまでも継続的に支援をさせていただいているが、先月訪問した時は水を切らしていたのでお米だけ届けたのだが、やはり水が欲しいという要望を頂いて急遽準備した。どうやら水事情が悪いらしい。水道水は不味くて飲むことが出来ない。水を買いたくても、お年寄りには買い物も容易ではない。この猛暑の中、水道水が飲めないというのは切実な問題である。改めて、継続的な支援の必要性を感じた。
 
長部を後にして、陸前高田に向かった。陸前高田はここ数カ月で急激に変化していた。その状況を報告していなかったので、今回は陸前高田の今を報告させて頂こうと思う。
 
K師は1年ぶりの気仙沼訪問であるが、これまで4~5回ボランティアに来ていて、陸前高田の様子も、震災直後の状態から瓦礫が片づけられ、何もない雑草だけが生い茂る状態と、経過を見てこられていた。そのK師は、今の陸前高田の様子を見て驚いていた。
 
今、陸前高田では「希望のかけ橋」と呼ばれる巨大な吊り橋が、張り巡らされている。旧市街地と高台移転先を結び、高台造成にともない山を削る過程で出た土砂を運んでいるのである
 
 
遠くから見ると、瀬戸大橋かレインボーブリッジにでも見えるこの吊り橋だが、実は土砂を運ぶためのベルトコンベアである。この巨大なベルトコンベアがあることで、通常10年はかかる作業が2年ほどに短縮できるのだそうだ。ベルトコンベアの先端から土砂が流れ落ちて、山を作っていく。ある程度土砂の山が積みあがると、その先端部分が移動して、またその隣に土砂の山を作る。そうして、次々に土砂の山が出来る。そして、その土砂をブルドーザーなどが押し固めながら、嵩上げした土地を整地していく。その土砂の量は半端なものではない。当然、広大な土地をすべて、ある高さまで嵩上げをするのだから、山の一つや二つは消えて無くなってもおかしくはない。その土砂をタンプカーで一台一台運んでいたのでは、気の遠くなる年月がかかるのも予想できる。それにしても、人間の知恵と行動力は凄いものがあると感心させられる。効率を求めた結果がベルトコンベアだったのだと納得ができる。
 






 
 
しかし、一方では山を崩して、人が住めるように造成する。そして、出た土砂を平地に積み上げて、嵩上げをする。そしてまた平地にも徐々に人が住むようになるだろう。陸前高田では今後12ⅿの防潮堤が出来るらしい。その防潮堤の前には松林と人口の砂浜が再生され、防潮堤の手前側には防災公園が出来るらしい。それでも、今回と同じ規模の津波が来れば防ぐことは出来ないらしい。
 
暮らしの復興が急がれている状況はその通りであり、一日も早い復興が望まれている。しかし、天地自然の山を幾つも崩し、削り、土地を造成して人が住む。削って出た大量の土砂を平地に積み重ねて嵩上げして、高さ12ⅿもの防潮堤で海岸線を覆い津波から人々の暮らしを守ろうとしている。全ては人の手によるもの。本当にそれでよいのだろうか?と不安を感じる光景だった。


陸前高田を通過して、越喜来の杉下仮設住宅に到着。サポートセンターの方にチラシを届けた。
ここでは、サポートセンターのスタッフがしっかりと住民のお世話をしているので、イベントのチラシなどもスタッフの方が配っていただけるということで、お願いさせていただいた。
予定よりも早く用事が済み、昼食まで少し時間があったので、近くの波板海水浴場に立ち寄った。
津波の影響で、砂浜が狭くなっているようだが、海の水は透明度が高く、透き通っていた。
静かな浜辺で、護岸工事のため海中で作業している潜水作業員の呼吸する音が、
船のスピーカーから聞こえるだけで、心地よし静けさがさっき見た陸前高田の光景とは全くの別世界で、
こころが癒された気がした。
 



 
以上。


8月の予定

8日(金)、 気仙沼教会を会場にして、ボランティア連絡会を開催。金光ボランティアの団体紹介もおこなう。
9日(土)、ワンハートブラス(乙島教会)一行が、盛岡入り。盛岡教会参拝後、田老へ移動。宿泊。
10日(日)AM、田老サポートセンターで音楽イベント。越喜来へ移動、宿泊。
11日(月)AM、越喜来杉下仮設にて音楽イベント、PM気仙沼五右衛門ヶ原運動場仮設にて音楽イベント、気仙沼教会へ移動、宿泊。

21日~24日 フォーゲル・ソワリングキャンプ開催
23日(土)NPO東京自由大学(鎌田東二氏主催)来教

 
以上、追って順次現地報告をお送りいたします。